母 音 計 測VOWEL RESONANCE MAP · 音響ラボ
ver 1.13 — 公開版
声質は測定しない
この道具が測るものSCOPE
持続母音から F1・F2・F3(フォルマント) を推定し、母音が周波数平面のどこに座るかを地図にする。フォルマントは口の中の空洞の共鳴で決まる量で、声帯の状態とは別の話である。
- 測らないもの: 真の jitter / shimmer / HNR。嗄声・音声障害の評価に用いられる臨床指標であり、診断をしない当店は測る資格を持たない。
- 算出しないもの: 母音空間面積(VSA)。構音障害の評価尺度として使われるため、面積の計算と比較は行わない。
- 求めないもの: 最長発声持続時間・声域の限界。最大努力を要求する課題は、この店では出さない。
専門職の方へ ── 本器は検証された測定器ではない。臨床記録・指導記録として用いないこと。
Praat等と数値が一致しないことがあるが、それは異常ではなく設定の違いである
(LPC次数10・プリエンファシス0.85・30ms窓・10kHz、F0は40ms窓の正規化自己相関)。
設定を明記しているのは、突き合わせられるようにするためである。
1 · 録音の心得HOW TO RECORD
【母音を録るときの心得】
「あ」「い」「う」「え」「お」を、この順に1つずつ2秒ほど伸ばす。
・ふだんの高さ・ふだんの大きさで。力んだり、張ったりしないこと。
・声を作らないこと。低くしたり整えたりすると、かえって測りにくくなる。ふだんの声がいちばん正しい入力である。
・1つ終わるごとに息を吸って、半秒ほど間をあける(区切りの目印になる)。
・静かな場所で、口元から10〜15cmの距離で。
・喉に違和感があるときは中止すること。
下の「案内つきで録音」を使えば、この間合いは画面が勝手に作る。すでに録ってあるファイルを読ませてもよい —— 5つまとめて1ファイルで構わない。
2 · 音声を読み込むINPUT
ファイル
wav / mp3 / m4a 可
参照帯(申告)
マイクで録る
画面の文字に合わせて声を出すだけ。区切りも自動で揃う。1つだけ失敗したら、表の「録り直す」でその母音のみ録れる。
音声はこの端末の中だけで解析され、外へ送られない。m4aも読める。端末が直接解読できない場合は、再生しながら実時間で聴き取る方式に自動で切り替わる(音は鳴らない。録音の長さぶん時間がかかる)。5つの区間が見つからないときは、間の無音が足りないか、声が小さすぎる。区間の割り当ては下の表で直せる。
3 · 母音の地図F1 × F2 PLANE
重ねる基準
持ち帰る
表は横にスクロールできる。
F1は口の開き(大きいほど開いている)、F2は舌の前後(大きいほど前寄り)に対応する。F3は個人の声道の長さや形の癖を映しやすい。数値は共鳴の位置であって、良し悪しの点数ではない。
F3が「—」のときは、その母音でF3が極として立たなかったということである。この器械は 1900〜4000Hz の外に出た極をF3として採らない。範囲の外に出るのはF4か、間引き前のフィルタの縁を共鳴と読み違えたものであり、F4を「これがF3です」と言うくらいなら測れなかったと言う。
4 · 前回と重ねるSESSION COMPARISON
前回の書き出しJSONを貼ると、地図に重ね、差が測定の幅を超えているかを判定する。幅の中に収まる差は、変化と呼んではならない。
5 · 倍音とスペクトル包絡SPECTRUM · 解釈しない図
表示する母音
細い櫛の歯が倍音(声帯の振動が作る等間隔の梯子)、太い曲線がスペクトル包絡(声道の共鳴)。包絡の山がフォルマント。この図は美しいので載せるが、ここから数値を読んで解釈することはしない。
この道具についてABOUT
音響ラボ(音響魔女 二号店)が無料で公開している実験用の道具。音声は端末の外に出ない——録音も解析もすべてこのページの中で完結し、どこにも送信されず、保存もされない。ページを閉じれば消える。
本器は自己理解と実験のための記述的計測であり、医療行為・診断・治療ではない。声の不調が続く場合は耳鼻咽喉科の受診をすすめる。喉に疲れや違和感があるときは中止すること。
measured, not divined.
6 · 数値を写し取るEXPORT
このJSONを計測レポートの母音欄に貼る。F0が240Hzを超える声では「い」「う」のF1が最大15%ほど外れることがあり、その旨がJSONに記録される。